忙しい毎日の中で、髪の毛の洗い方がついつい適当になりがち。
しかし、正しい洗髪方法を知らないことが、頭皮トラブルや髪のダメージの原因になっていることをご存知ですか?

えっ…、そうなの?
実は、シャンプー前の予洗いだけで汚れの70%が落ちるなど、美容のプロにとっては常識でも、意外と知られていない秘訣がたくさんあります。
爪を立てて洗うことのリスクや熱すぎるお湯の使用が招くダメージなど、日常的に行っているNG行動も要注意。
この記事では、現役美容師が教える正しい髪の洗い方から、シャンプーの泡立て方、トリートメントの使い方まで、美しい髪を保つための極意をわかりやすく解説します。
本記事で分かること
- 美容師が教える正しい髪の洗い方
- 髪を洗う際のNG行動とその影響
- 美容師が推奨する髪の洗い方のコツ
- 髪の洗い方に関するよくある質問
- おすすめのシャンプー剤
今日からのヘアケアに役立つ、プロ直伝の洗髪テクニックをぜひ取り入れてみてください。
美容師が教える正しい髪の洗い方とは?

美容師がお客様に行っているシャンプーのポイントを取り入れることで、自宅でも的確な髪の毛のケアを行えます。

髪の毛を洗ったのにベタついている。

長い髪の毛をうまく洗えない。
こんな悩みを持つ人は、ぜひ実践してください。
ブラッシングで髪を洗う準備をする
シャンプーの前にブラッシングを行うことは、美しい髪を保つための第一歩です。
ブラッシングにより、髪の絡まりをほぐし、ほこりや汚れを事前に取り除くことができます。
また、頭皮に適度な刺激を与えることで、頭皮環境を向上させて、次に生えてくる髪質を向上させる効果も!

特にロングヘアの方は髪の毛が絡まりやすいので、シャンプー前のブラッシングは効果的です。
毛先から徐々に根元に向かってとかすことで、髪に負担をかけずにブラッシングができます。
くし選びも重要で、天然素材や静電気が起きにくい素材のもの、クッション性の高いブラシなどを選ぶと良いでしょう。
予洗いで汚れの70%は落ちる
多くの方が知らないことですが、シャンプー前のお湯だけの予洗いで、実は髪の汚れの約70%が落ちます。
38〜40度のぬるま湯で1分程度、頭全体をしっかりと濡らすことが重要です。
この工程で、ほこりや余分な皮脂の大部分が洗い流されます。

お湯で予洗いをする際も、シャンプーのときと同様に指の腹で頭皮をこすりながら流すようにしましょう。
特に頭頂部や後頭部は洗い残しが多い部位なので、指の腹で優しくマッサージしながら予洗いすることで、シャンプーの効果を最大限に引き出せます。
シャンプーの泡立て方とベストな量
シャンプーは直接頭皮につけるのではなく、手のひらでしっかり泡立ててから使用するのが正解です。
適量は髪の長さによって異なりますが、ポンプタイプのシャンプーでショートヘアなら1プッシュ、ミディアムなら1.5〜2プッシュ、ロングヘアでは3プッシュくらいが目安です。
泡立てる際は、少量の水を加えながら手のひらで円を描くよう、空気を入れながら動かすと、きめ細かい泡ができます。
この泡が髪と頭皮の間に入り込み、汚れを浮かせる役割を果たすため、泡立ての工程は手を抜かないようにしましょう。

泡立ちが悪いと、髪の毛同士の摩擦が大きくなり、ダメージの原因にもなります。
頭皮を優しくマッサージする洗い方
シャンプー中は頭皮を爪で傷つけないよう、指の腹を使って優しくマッサージすることが大切です。
頭皮全体を4つのセクションに分け、前頭部→側頭部→頭頂部→後頭部の順に、指の腹で円を描くように洗っていきます。
特に耳の後ろや首の生え際から襟足は汚れがたまりやすいので、念入りにマッサージしましょう。
このとき、強い力ではなく、適度な圧で頭皮の血行を促進させるイメージで行うことで、清潔な頭皮環境を保ちながら、リラックス効果も得られます。
流し残し0で頭皮トラブルを回避
シャンプー後のすすぎは、頭皮トラブル防止のために最も重要な工程です。
シャンプー剤が残ると頭皮のかゆみやフケの原因となるため、通常考えるより1分ほど長めにすすぐことをおすすめします。

特に髪の毛の量が多い人は、洗い残しが多いので注意が必要です。
お湯の温度は38〜40度前後のぬるま湯を使い、頭を前に倒した状態で流すと効率的に洗い流せます。
予洗い同様、指の腹で頭皮をこすり、手ぐしを通して絡まりをほぐしてあげましょう。
トリートメントの正しい使い方
すすぎ終わったら、タオルで髪を軽く拭いてからトリートメントをしていきます。
一度タオルで水分を拭き取ると、トリートメントの成分が薄まらず効果的です。

面倒でも、このひと手間が仕上がりを変える!
トリートメントは髪の中間から毛先にかけて使用するのが基本です。
頭皮につけると、トリートメントの保湿成分が頭皮を過剰に覆ってしまい、べたつきの原因になります。
適量は髪の長さによって異なりますが、手のひらにのばした際に髪全体をコーティングできる量を目安にしましょう。

インバス用のブラシを使うと馴染ませやすい!
塗布後は2〜3分間放置し、成分を髪に浸透させます。
すすぎ残しもトラブルの原因となるため、しっかりとすすぎましょう。
髪を洗う際のNG行動とその影響

キレイな艶髪を手に入れるには、正しい方法を学ぶだけではなく『やってはいけないこと』も知る必要があります。
髪の毛を洗う際に「これだけはやめて!」というNG行動をご紹介します。

もしかしたらやっちゃってるかも…。
そんな人もNG行動を理解して改善しましょう!
爪を立ててガシガシ洗う
頭皮を爪で洗う習慣がある方は要注意です。
爪を立てて洗うと、目に見えない小さな傷がつき、そこから雑菌が入り込んで炎症を起こす恐れがあります。

乾燥肌やアトピー体質の人は、入浴の際にかゆみが強くなり、爪を立ててしまいがち!
頭皮の炎症は抜け毛や薄毛の原因となるだけでなく、さらなるかゆみやフケといった不快な症状を引き起こします。
特に長い爪の方は無意識に頭皮を傷つけやすいので、指の腹を使って、優しく円を描くようにマッサージすることを心がけましょう。
頭皮は顔の皮膚よりもデリケートだという意識で扱うことが大切です。
熱すぎるお湯で髪の毛を洗う
41度以上の熱いお湯でシャンプーすると、頭皮の必要な皮脂まで過剰に落としてしまい、乾燥や炎症の原因になります。
また、熱いお湯は髪のキューティクルを開きすぎて、髪内部の水分やタンパク質が流出しやすくなり、パサつきやダメージの原因となります。

サウナを頻繁に利用している人も、髪の毛がパサつきやすくなるので注意が必要です。
カラーやパーマをしている髪は、熱いお湯によって色落ちも早まります。
理想的な水温は38〜40度のぬるま湯。
冬場でも我慢して熱すぎないようにし、最後は冷水でしめるとキューティクルが引き締まり、髪のツヤが増します。
シャンプー剤を直接塗布
シャンプー剤を頭皮に直接つけると、特定の部分に集中して成分が強く作用し、必要な皮脂まで奪ってしまう恐れがあります。
また、均等に広がらないため、洗い残しや逆に洗いすぎの部分が出てくることも。
濃縮されたシャンプー剤が直接触れることで頭皮に刺激を与え、敏感肌の方は赤みやかゆみの原因になることもあります。
正しくは、手のひらで十分に泡立ててから頭皮全体に均等にのせ、指の腹で優しくマッサージすることで、頭皮への負担を最小限に抑えながら効果的に汚れを落とせます。
美容師が推奨する髪の洗い方のコツ

美容室でシャンプーをしてもらうと、髪の毛がサラサラになり、心も体も軽くなりますよね。
それは使っているシャンプー剤が違うだけでなく、美容師しか知らないコツがあるから。
ここからは美容師が教える洗い方のコツを紹介します。
洗う順番とマッサージのテクニック
効率的なシャンプーには順番があります。
まず前頭部から始め、次に側頭部、そして頭頂部から後頭部へと移動するのが理想的です。
これは頭皮の皮脂分泌量に合わせた順序で、皮脂の多い頭頂部から洗うことで、効率よく汚れを落とせます。
マッサージのテクニックとしては、指の腹で小さな円を描くように動かし、頭皮全体をまんべんなく刺激することがポイントです。

特に後頭部の下部は手が届きにくいため、両手の指を交差させるようにして洗うと効果的。
さらに、頭皮を上に持ち上げるようにマッサージすると、顔の重心が上がり、若々しい印象に導きます。

最近たるみが気になっていたからやってみます!
このマッサージは頭皮の血行促進にもつながり、健やかな髪の成長をサポートします。
シャンプーの頻度と髪質に合わせた調整
シャンプーの頻度は髪質によって調整するのが理想的です。
脂性肌の方は毎日シャンプーしても問題ありませんが、乾燥肌や敏感肌の方は1日おきでも十分な場合があります。
特にくせ毛や乾燥毛の方は、過度なシャンプーで自然な潤いまで失われてしまうことがあるので、髪質を意識した頻度に調整しましょう。
また、季節によっても調整が必要で、夏は汗や皮脂の分泌が多いため毎日、冬は乾燥しやすいので回数を減らすといった工夫も効果的です。
シャンプーを減らす日は、お湯だけですすぐ『湯シャン』を取り入れると、必要な皮脂を残しながら余分な汚れだけを落とせます。

ただし、湯シャンが合わない人もいるので頭皮や髪の毛の状態を見て、合わないと感じたら通常のシャンプーに戻しましょう。
髪の洗い方に関するよくある質問
美容室で働いていると、多くのお客様から髪の毛の質問を頂きます。
シャンプーに関しても例外ではありません。
ここではお客様が疑問に思うことをまとめました。
「こんなこと聞いていいのかな?」と、美容師に聞けずにいた方はチェックしてください。
朝シャンと夜シャン、どちらが良いの?
朝シャンと夜シャン、どちらが良いかは生活スタイルによって異なります。
夜シャンは一日の汚れを落とし、清潔な状態で就寝できるメリットがあります。
また、乾かす時間に余裕があるため、ドライヤーの熱ダメージも軽減できます。
一方、朝シャンは寝ぐせをリセットでき、すっきりとした状態で一日をスタートできる利点があります。

ただし、急いでいると乾かし不足になりやすく、これが頭皮トラブルや髪のダメージにつながることも。
理想は夜にしっかり洗い、朝は水だけのすすぎだけにする、もしくはドライシャンプーで調整する方法です。
どちらを選ぶにしても、完全に乾かしてから就寝・外出することが大切です。
シャンプー前のブラッシングは必要?
シャンプー前のブラッシングは非常に重要です。
ブラッシングには、髪の絡まりをほぐす以外にも、頭皮に付着したほこりや古い角質を浮かせる効果があります。
これにより、シャンプーの洗浄力が髪全体に均等に行き渡り、洗い残しを防ぎます。

ブラッシングをすることで、泡立ちも全然違う!
また、ブラッシングによって頭皮の血行が促進され、健やかな髪の成長を助ける効果も期待できます。
特に髪が長い方や、スタイリング剤を使用している方は、シャンプー前に時間をかけてブラッシングすることで、髪の絡まりやスタイリング剤の残留を減らし、シャンプーの効果を最大限に引き出せるでしょう。
トリートメントは毎回必要?
トリートメントの使用頻度は髪の状態によって異なります。
ダメージが少ない健康的な髪の場合、トリートメントを使用するとベタついた質感になることがあるため、保湿成分の少ないコンディショナーをサラッとつける程度で十分です。
ダメージヘアの場合も週に2〜3回程度で補修成分が髪の毛に蓄積するので十分です。
毎回使用すると、成分が蓄積して髪が重くなったり、頭皮に付着して皮脂の過剰分泌を促す恐れがあります。
トリートメントをつける際は、髪の根元から3cm程度は避け、中間から毛先にかけて使用することで、髪に潤いを与えながら頭皮のトラブルを防ぐことができます。
おすすめのシャンプー剤

頭皮や髪の毛に優しいおすすめのシャンプー剤をご紹介します。
美容室専売品や、美容室と同じ成分を使った一般完売品。
今は数多くのシャンプー剤があって、悩んでしまいますよね。
あなたにとってベストなアイテムが見つかるようにお手伝いします。
カラーの退色、パサつきを抑えるクレンジング スパシャンプー
頭皮や髪の毛の汚れをしっかりと落としながらも、カラーリングの退色やパサつきを抑えてくれるのが『クロナ クレンジングスパシャンプースミ』です。
洗浄成分はラウリルベタインが主成分となっており、髪の毛に優しくアプローチします。

ベタイン系のシャンプーは低刺激で髪にやさしい。
ベタイン系のシャンプーの洗浄力の弱さを補うために、炭を加えて髪の毛の負担を抑えながら洗い上げます。
さらに、泡で出てくるフォームタイプなので泡立てがしやすく、頭皮や髪の毛になじみやすいのも特徴です。
精油の豊かな香りでリフレッシュできるオーガニック系シャンプー
精油を使用した自然な香りが特徴の『ラカスタプロフェッショナルシャンプー』は、毎日のバスタイムをワンランク上げるアイテム。
『ヘアエステ ソープLU』『ヘアエステ ソープCS』『ヘアエステ ソープJC』といったラインナップがあり、髪質に応じて使い分けられるようになっています。
洗浄成分はアミノ酸系やベタイン系の優しい成分を使用しており、頭皮や髪の毛に負担をかけたくない人にピッタリです。
仕上がりもしっとりとしていて、艶のある髪の毛に導きます。
洗いながらダメージケアができるサロンシャンプー

ダメージで髪の毛がパサつく。

切れ毛や枝毛がなくならない。
そんな人におすすめなのが『オージュアシャンプー』です。
オージュアシャンプーには、髪の毛の補修効果がある加水分解ケラチンを配合。
乾燥しがちなダメージ毛も、艶やかな質感に近づけます。
特に、ブリーチを繰り返したダメージ毛や、ハリコシがなくなってきたエイジング毛などには『オージュアディオーラム』シリーズがおすすめです。
髪の毛の洗い方まとめ

本記事では、正しい髪の毛の洗い方と、美容師しか知らないコツをまとめました。
本記事のまとめ
- 美容師が教える正しい髪の洗い方
- 髪を洗う際のNG行動とその影響
- 美容師が推奨する髪の洗い方のコツ
- 髪の洗い方に関するよくある質問
- おすすめのシャンプー剤
正しい洗髪方法を実践することで、自宅でもサロン級の美しい髪を維持できます。
髪質や頭皮の状態に合わせた適切なケアを学ぶことで、どんな髪質の方も理想の髪に近づけられるでしょう。

予洗いからすすぎまで、一つひとつの工程を丁寧に行うことが美しい髪への近道です。
頭皮トラブルやパサつきに悩んでいる方は、ぜひこの記事で紹介した正しい洗い方を試してみてください。
健やかな頭皮環境と艶やかな髪を、今日から育てていきましょう。
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